暗くなるまで待って

 好きな映画だったが、今日BSでやっていた放送をもう見る気になれない。悪漢アラン・アーキンが盲目のオードリー・ヘプバーンを誑かすために、色々な人物を偽装するところが、演技の見所なのだが、そんな芸があるんだったら、麻薬売買じゃなくて、もう少しマシな事をしろよ、と突っ込みたくなる。まあ、いろいろやって「お遊びはここまでだ」となるのは、一つのパターンなんだが。
 ラスト・シーンには少し違和感を感じる。あんだけ怖い目に会ったオードリーをダンナが最後に自分のところまで歩かせるところ。「さあ、自分の力で歩いておいで」とか言って。こういうときは、盲人のサバイバル教育は後回しにして、とりあえず一も二もなく駆け寄って抱きしめるのが正しいやり方、と思うのは日本人だけか。
 どこかの映画館で、二回目に見ていて、最後にアラン・アーキンが暗闇で立ち上がるところを、隣の同伴者にショックを与えないために寸前に教えたつもりが、その声が周囲に聞こえてしまい大顰蹙を買ったのは私です。すみませんでした。もっとこのブログもネタバレを気にしないで書いているので、顰蹙を買う点では同じなのかもしれないけれど。

1967年 米 テレンス・ヤング