ロスト・チルドレン

 奇妙な映画。なにしろ「デリカテッセン」を作った監督のコンビだ。マッド・ドクターがクローン人間を作る。そのクローンは夢を見ることができず、老化速度が速い。そこで他人の見る夢を盗むことにするが、どれもこれも悪夢ばかり。純真無垢な子供ならば、夢も無垢なものに違いないと、幼児の誘拐を始める。しかし子供という子供の夢の中も恐ろしいことばかり。ついに夢のなかでの対決が始まるというもの。老人が次第に子供になっていくシーンや子供が老人になっていくシーン等の特撮技術は凄い。バロック的な映像美もある。ヒロインである、妙に大人びた少女とゴリラのような顔をしたサーカスの怪力男とのロマンスがなかなか見せる。

1995年 仏 ジャン・ピエール=ジュネ/マルク・キャロ