プリンス 英国王室もうひとつの秘密

 英王室を描く映画は枚挙に暇がないが、「英国王のスピーチ」に名前だけ出てきた、ジョン王子を描いた映画もある。BBC放送のテレビドラマではあるが、それがこの「プリンス 英国王室 もう一つの秘密」。
 ジョージ六世の吃音の原因として、父王ジョージ五世の圧迫、兄エドワード八世への偏愛が仄めかされているが、同時に三男のジョン王子に対する父と兄の冷酷さも仄めかされている。ジョン王子は癲癇もちで発達障害があり、人目につかないように育てられたが13歳で夭折した。この弟をジョージ六世は愛していたようである。このドラマは実はまだ見ていないのでこれ以上は分らない。the Lost Princeという原題に「英国王室 もうひとつの秘密」という邦題が充てられているが、もうひとつの、もうでないほうのそれは何を指しているのだろう。映画「クィーン」の公開に合わせてDVD化されたらしいから、ダイアナ妃のことを指しているのか。ロシア革命で惨殺されたニコライ二世を始め、ときのドイツ皇帝、ギリシャ皇帝、ベルギー王、オーストリア皇帝などが、イギリス王室と縁続きであること、つまりヴィクトリア女王の多くの子孫たちであること、つまり第一次世界大戦が、親族同士の戦いであったことを指しているわけではないと思うが。

2003年 イギリス BBC放送