ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い

 いちいち解説してくれてどうも有難う、大きなお世話、と言いたくなるようなタイトル。どこかのお笑い芸人を思わせるような風貌のモーツァルト(リノ・グアンチャーレ)にはがっかりした。モーツァルトを聴くときには:決して思い出したくない顔。「アマデウス」のモーツァルトの方がまだまし。オペラ台本「ドン・ジョヴァンニ」を書いたロレンツォ・ダ・カンポに扮した俳優(ロレンツォ・パルドゥッチ)はなかなかの美男、主役はこちらだから当然か。オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の魔的な魅力が少しは分るようになる映画だ。改宗ユダヤ人の手によって作られた、神の前での改悛を拒否する物語、というのは「ドン・ジョヴァンニ」を研究する視点として面白いと思う。

2009年 イタリア・スペイン カルロス・サウラ