12人の怒れる男

 1957年のオリジナル映画(シドニー・ルメット)のロシア版リメイクだというので、どれどれと見てみたが、無駄な会話多く、声が汚く、唾を飛ばして舌戦をかわす様にゲンナリして途中で放棄した。まともなリメイクではあるのにどうにも見るに耐えなかった。
 日本では、まともにリメイクを作るのはできない相談らしく、せいぜい筒井康隆のパロディー戯曲「12人の浮かれる男」、三谷幸喜の「12人の優しい日本人」などに奪胎するのが関の山。こんな日本で裁判員制度が導入されたけど、大丈夫か。「空気に支配される」という日本人の特性が増長されるだけのような気がするが、それでも世間の常識から大分ズレている人の多い裁判官の判断よりかはマシだろうと思わざるを得ない、というのは嘆かわしい。

2007年 ロシア ニキータ・ミハルコフ