ザ・クリーナー 消された殺人/サンシャイン・クリーニング

 「ザ・クリーナー」。まじめに最後まで見て、くーだらない ! と脱力してしまった映画。
 ちゃんとしたキャリアのある俳優が存在感のない役で出ているので、実は彼が事件の本ボシだっていうことがすぐ分かっちゃう、というパターンだし、いい映画ならそれが分かっても別に問題はないが、本作では、殺しの理由が警官の汚職ではなく、愛恋問題だったというところが最大のネック。何しろ老残の主演男優(エド・ハリス)と下品な顔の主演女優(エヴァ・メンデス)の二人では、殺人にまで至る愛というものの説得力はゼロ。
 アメリカに実在する職業、CTS Decon( Crime/ Trauma Scene Decontamination : 犯罪、事故現場の清掃)を扱うが、こういう職種が存在するアメリカって感嘆すべきか、嘆息すべきか。
 「サンシャイン・クリーニング」(2009)も同じ職業を扱った映画。エイミー・アダムスが殺人現場の血糊を洗うというのは見たくもないシーンだが、それより、どう見てもどんな男でも獲得可能という美貌と肢体を見せながら、バカな所帯持ちの男と付き合っている、というこちらの状況設定のほうが見るだにつらい映画である。
  えーと、つまり、×エヴァ・メンデス、○エイミー・アダムス、というだけのことです。女優さえ入替えてくれたら、「ザ・クリーナー」の方が面白い映画です。

ザ・クリーナー 2007年 米 レニー・ハーリン
サンシャイン・クリーニング 2009年 米 クリスティン・ジエフズ