ローマの休日 (3)

 ジョーのアパートで一夜を過ごしたアン王女が王宮に戻る前に、ふと思いついてジョーからお金を借りる。その金額はジョーの持ち金2,000リラを折半した1,000リラ。王女は「1,000リラも!」とびっくりするが、実はそれは1ドル半であるに過ぎない。しかし驚くべきことに、この1ドル半で王女はいろいろなことをするのだ。
 ○サンダルを買う。
 ○髪を切る。
 ○アイスクリームを食べる。
 一体、ドルというものはどれだけの価値があったのだろう。
 
映画の中には、当時のローマの物価を推測する情報がいろいろ示されている。
 
 ◇タクシー料金/1,000リラ/1.5ドル
 ◇運転手への特別チップ/1,000リラ/1.5ドル
 ◇すいか丸一個/300リラ/45セント
 ◇花束/1,000リラ/1.5ドル
 ◇独占インタビュー記事の値段/5000ドル
 ◇友人アーヴィングからデート資金として借りた金/3万リラ/50ドル
 ◇編集長との賭け金/500ドル
 
 日本でのサンダルの値段や散髪代から計算してみると、あまりにもローマの物価が高くなりすぎる。それ以上に記事の成否をめぐる編集長との賭け金が100万円を越えてしまうし、記事の値段は1,000万を越えることになり、少し合わない。要はタクシー料金 = 花束 = サンダル + 散髪+アイスクリームなので、為替レートをどう設定してもなんだかおかしくなってしまうのだ。同じ映画をムリョ数十回も見てしまうと、こういうところも気になってくる。スペイン広場での空白の時間の謎なども気になるところだ。