ギリーは首ったけ

 ヘンな映画。タイトルもヘン(同じ言うならギリー「に」首ったけ、だろう)だし、話もヘン。サリー・フィールドがひどい役で出ている。欲得だけの、愛情がこれっぽっちもないケバい母親役なのだが、最後は脳出血で太腿もあらわに卒倒して半身不随になる、というとんでもない役どころだ。「ノーマ・レイ」や「プレイス・イン・ザ・ハート」で二度もアカデミー主演女優賞を獲得した女優が、五十四歳にしてこんな映画に出る、その訳を知りたい。金に困っているとは思えないし、これは役者というものが自由業であること、というより精神的に自由であることに拠ってきているのだろうか。

2001年 アメリカ ジェームズ・B・ロジャーズ