ジーパーズ・クリーパーズ

 全然怖くないホラー映画。怪物が、人間らしいいでたちでいた最初の頃は、それなりに怖かったが、終り近くに蝙蝠のような羽根を出して空を飛び始めると、とたんに滑稽な存在に見えてしまい、ホラー度が薄れてしまう。最初から怪物が出てくるならそれなりの見ようもあるが、先に人間の薄気味悪さを見せられて、人間以上に怖いものなどない、という気になってしまっている。その人間が、ありきたりの怪物に変わってくれれば、むしろほっと安心してしまうのだ。
 これだけ怖くない恐怖映画を見せられると、小さい頃から一人で寝かされている西洋人が見たであろう幼年時の悪夢というものに少し興味が湧く。なぜか巨匠コッポラがプロデュースした映画。

2001年 アメリカ ヴィクター・サルヴァ