嵐が丘 3

 1939年のオリジナルと1992年のリメイク版の間にも、「嵐が丘」は何度か映画されている。以下はその一覧であるが、いずれも未見。機会があれば是非見てみたいものだ。

◇1953年 メキシコ ルイス・ブニュエル監督
 舞台をメキシコに設定。ヒースクリフはアレハンドロになってしまった。ブニュエル独特の世界になっているらしい。
◇1970年 アメリカ ロバート・フュースト監督
これはかなり原作に忠実な映画化。出演ティモシー・ダルトン、アンナ・カルダ・マーシャル。
◇1986年 フランス ジャック・リヴェット監督
 舞台をフランスの片田舎に移す。ヒースクリフはロッシュという名前になっている。なんだか人が良さそうな名前だ。
◇1988年 日本 吉田喜重
 なんと、日本でも映画化されていた。舞台を日本の鎌倉時代に移し、ヒースクリフは鬼丸という名前で、松田優作。彼がヒースクリフには一番適役かもしれない。
 これだけ、場所を変え、時代を変え、何度も映画化されているのはこの話が何か恋愛というものの原型を捉えているからだろう。女性への復讐のために、金銭的成功を収めて帰ってくるという点では、「金色夜叉」にしても「グレート・ギャッツビー」にしても、同工異曲の小説と言えるからだ