フリーダ

 交通事故にあったフリーダが、金粉にまみれ鉄パイプに下半身を刺し貫かれて横たわるシーンには、映像美というのも愚かなくらい、壮絶な生命力に満ちた美が横溢している。メキシコの陽光の下で、人間たちはひたすら愛の交歓に余念なき有様。なんだかこちらもあてられて、世界に対する原色の欲望がよみがえるような気がした。

2002年 米 ジュリー・テイモア