再見(ツァィツェン) また逢う日まで

  両親を突然事故で失ったため、離散を強いられた四兄弟の二十年後の再会を描く。少し泣かせすぎの映画。貧困と家族と追憶という、泣かせる要素がそろいすぎているし、泣かせようとする手つきが見えもする。長女はアメリカに渡っていたので仕方がないが、他の三人は中国にとどまっていたのだから、20年を待たずして再会していても良さそうなものだ、という疑問も生ずる。しかし、幼き日、兄弟姉妹と過ごした時間が、それが決して幸福だったとは言えないものであっても、絶対的なものとして残る、その何ものにも替えがたい記憶、というものが心に迫る。中国という異国の地の物語としてこれを見せられるので、安心して泣けてしまったところがある。これが日本での物語なら、実際の日本の現実、非-物語から自由になれず、悲しみという原初の感情を開放しきれないだろう。

2001年 中国 ユイ・チョン