突撃

 戦争映画ではあるが、戦闘を描く映画ではなく、軍法会議を描く裁判劇の要素が強くて、興味深かった。第一次大戦時のフランス軍の話であるせいか、卑怯で老獪な将軍たちの生態を遠慮なく暴いている。戦意高揚映画みたいな、立派な軍人ばかり出てくる映画よりよほど良い。ギルティ・コンシャス・プログラムで、日本人の我々は我が軍人は野獣で連合軍の軍人は紳士だという刷り込みがよっぱらされているが、しかしその反証は1957年のこの映画にすでにある。

1957年 米 スタンリー・キューブリック