世代

 ドイツ軍占領下のワルシャワ・ゲットーの話。内容は人間の非道とそれに対する抵抗という、すでに知りすぎているくらい知っているものだが、非常に若いロマン・ポランスキーが端役で出ていたのが目新しかった。後年、その性的オブセッション由来のさまざまなスキャンダルを引き起こす彼の、半ズボン姿が妙に生々しく見える。晩年というべき時に、彼は自ら監督としてワルシャワ・ゲットーを描く「戦場のピアニスト」を作ったが、その中間にあった「シャロン・テート殺害事件」で妻を惨殺された経験にもまして、幼年時代に母を収容所で殺されたというナチス体験の方が、やはり彼にとっては大きな悲劇だった、ということか。あるいは妻の死という個人的悲劇を、より大きな歴史の悲劇の中で相対化する必要があったということだろうか。

1954年 ポーランド アンジェイ・ワイダ