愛と死の間で

 他ならぬケネス・ブラナーエマ・トンプソンの映画なのだから、もう少し品の良い仕上がりでも良かったのに、なんだかただのスプラッタ映画のようになってしまった。映画の基調トーンがそうなので、ロビン・ウィリアムズも過去を持つ老練な精神科医とも見えず、アンディ・ガルシアも間男にふさわしいほどの美男にも見えないということになった。それにしてもケネス・ブラナーおちょぼ口はサスペンスには合わないのでは、と思ったが、彼は後にTVシリーズ「刑事ヴァランダー」では悪くない味を出していた。

1991年 アメリカ ケネス・ブラナー