ミスター・アーサー

 主演のラッセル・ブランドとかいう男、殆んど見るに堪えずという容姿外見なので開巻一番で絶句、須臾にして観劇中止。声がクリス・タッカーの物まねかと思うほどカン高く、ミバも極端に悪い。どう見てもただの浮浪者にしか見えないけれど。オリジナル(1981年)のダドリー・ムーアがこのリメイク版ではなぜ彼に ? おまけにライザ・ミネリの代わりの女優(グレタ・ガーウィグ)も、十人並の平凡な容姿と来ては、見る価値なし。ヘレン・ミレンの魅力も、この映画に引き止めるには及ばず。ホームレスか何かにしか見えない件の彼は、有名なコメディアンらしい。しかもケイティ・ペリーのダンナらしいのだ。これらの出演俳優の劣化は即ち、私の感性の俗化とパラレルではあるのだけれど。もともとオリジナルも見ていないのだけれど、あの主題歌(アーサーのテーマ)とムーアは好きだったので残念。
 ブランドはゴールデンラズベリー賞の「最低主演男優賞」に、作品そのものは「最低前日譚・リメイク・盗作・続編賞」にそれぞれノミネートされたらしい。受賞に至らなかったのはこれまた残念至極。

2011年 アメリカ ジェイソン・ウィナー