フローズン・ドリーム  煽情の殺人

 見る予定のない映画だったが、どこかで見たことがある女優は、ソーラ・バーチ。で、途中からながら最後まで見てしまう。大学をやめて売春婦になった女が保険金目当てに情人を毒殺した実在の事件の映画化らしいが、バーチのその演技は、「パトリオット・ゲーム」での少女サリーの頃の演技と同型である。別に演技を批判するわけではなく、まさに一歩引いて大人を冷静に観察していたあの少女の延長に、この白い肌の、冷たい目をした殺人者がいるのだった。

2009年 アメリカ エリック・マンデルバーン