裸のジャングル

 相当ショッキングな映画だが、昔の映画なので弁えがあり、残酷なシーンは決して直接は見せないことになっている。しかし象を殺しまくり、その解体シーンまで見せてくれ、猛獣が捕食するシーンもふんだんにある。アフリカ現地人の役でアフリカン・アメリカンと思われる人間が出ているが、彼らは自らの祖国での蛮行を曝す映画をどう受け止めているのだろう。捕虜にした白人の殺害方法は野蛮かつ残酷極まるものであるというのに。「アポカリプト」であれば、現地人などよりさらに残酷なのは白人だった、ということを暴いているからいいが。
 監督・主演のコーネル・ワイルド、なんと「楽聖ショパン」でショパンに扮した俳優だった。流麗にピアノを弾きこなしていた俳優が、二十一年後には、(自ら好んで)アフリカを裸で走り回るはめになろうとは。

1966年 米・南アフリカ コーネル・ワイルド