シャーロック・ホームズの素敵な挑戦

 ワトソンがロバート・デュヴァルというだけでこれは買いでしょ。おまけにモリアーティがローレンス・オリヴィエときてはもう見るっきゃない。さらにアラン・アーキンフロイト博士に扮するらしい。しかし、話はトルコ人が見たら噴飯モノと思うかもしれない、トルコの太守による白人美女の人身売買というもの。1970年代の映画だが、走る列車の屋根の上での格闘など007の最新版そっくりのアクションもある。モリアーティが全然活躍しない話なので、ロンドン訛りの英語を喋るデュヴァルがやはり出色。
 近年の、ロバート・ダウニー・ジュニアのホームズはどうも好きになれない。画面が暑苦しく汚い。そもそもワトソン役のジュード・ロウと配役が逆だろうと思うのは私だけか。ダウニーのコミカルさはワトソン向きだし、ロウならホームズの複雑な人格を表現できるのに。

1976年 米・英 ハーバート・ロス