真田幸村の謀略

 見るに堪えない映画。
 見どころは襖絵などのセットの城内装飾と侍及び女御達の衣服の華美さ加減のみ。1979年の映画らしいが、真田十勇士の話を粋に映像美にまとめる力がすでに日本映画にない。俳優達にない。かって清水次郎長と次郎長一家を描く映画にはそれがあった、と思うのは幻想か。黒澤の映画と違い、とにかくこれでは世界商品にならない。品質劣悪で恥ずかしい。内容自体はサンカ、セブリが出てきて興味深くなくもないのだが。早送りで見たのだけれど、秀頼の悲運もさほど悲劇的には描かれていなかったようだ。

1979年 日本 中島貞夫