暗黒街の女

 往年の二枚目俳優ロバート・テイラーを初めて見た。線の細い優男だが声が太いので、やはり宝田明などとは残念ながら一味違う。女優のシド・チャリシーは知らなかったが、後で見てみるとアステアやジーン・ケリーの相手を務めた有名なダンサーだった。道理でダンスのフルシーンが二回もあったわけで、二回とも惜しげもなく美脚を曝しているが、その脚は500万ドルの保険付きとのこと。それから凶暴なギャングに扮した男はコリー・アレンという男で、調べたらやはり「理由なき反抗」(1955)でジェームズ・ディーンと「チキン・レース」をしたバズだった。お話は、仮にも無法者を相手に、こんなやり方で勝てるとは思えない、とだけ。

1958年 米 ニコラス・レイ